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2013年02月08日

一目小僧その他-柳田國男を修理する-その一

今年始めての更新ですが、ちょっと趣向を変えて、壊れた本の修理について書いてみようと思う。以前から本やネットの情報を手がかりに本の装幀を取り替えてみたりしていたのだが、たまたま修理製本の講座を受ける機会があったので、もう少しきちんとした修理が出来そうだ。

テクニック的な事は省いて、経過のみご紹介したい。

まずは修理する本であるが、古書市で購入した「一目小僧その他」小山書店で発行した柳田國男の著作で、初版は昭和九年、購入したものは昭和十六年の発行なので、開戦の年、七十年以上前の本である。
ネットで元々の書影を探してみたが、流石に見当たらなかった。

一つ目小僧その他 表紙

丸背ハードカバー、桃色の和紙で装幀されている。表紙にはタイトルなどが一切印字されていないので、紙のカバーか函が在ったのではないかと想像される。裏表紙には小山書店のロゴマークが捺されている。


一つ目小僧その他

古書店で被せていたハトロン紙を取ると、背表紙がポテトチップス並にパリパリに乾燥し剥がれていた。背の天と地が欠損している。花布も取れているのだが、これは元々布ではなく、青と白のストライプ模様の紙で出来ていたようだ。
背に印字されているタイトルと著者名も一部消えてしまっていた。

表紙も若干外れ気味で、パカパカと浮いている。
またこの本は、とある高校の図書館にあったものを放出したらしく、あちこちに学校の蔵書印や済判が捺されている。これはもうどうしようもないので放置。

このように見た目は大分くたびれているのだが、本の中身自体は綴じ糸も切れていないし、型崩れもしていないので、修理するのは背表紙と、表紙と中身の接続部分にする。後は、古書店が貼ったらしい値段シールの剥がし跡を綺麗にする。

まずは見返しの接合部をそっと剥がして、表紙と中身を分けるのだが、この本は今のハードカバーと違い、背表紙に何の裏打ちもされていなかった。表紙には分厚いボール紙が入っているのに、背だけが装幀に使われている和紙一枚なのだから、劣化して破れるのも致し方ない。

また通常、本体の背を固める際に使われる布を使っておらず、これも和紙一枚だけで本体と表紙を繋げていた。
この和紙が経年劣化で切れてしまっていた。

修理製本


表紙から本の中身だけ外したところ。↓

一つ目小僧その他 表紙裏


見返しに使われているのも和紙なのだが、これは傷みが無くきれいなままだった。


次回に続きます。


posted by 風花散人 at 21:42| 北海道 ☔| 古書修理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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